湿原(しつげん)や干潟(ひがた)は、川と海のあいだにあり、お家を建てることも
田畑にすることもできない、むかしはヒトにとってむだな土地に見えていました。
近年になって、湿原や干潟は、とても繊細な環境で、多くの生き物が暮らしたり、産卵などをしたりする「ゆりかご」のような役目を持つ大切な場所であることがわかってきました。
特に渡り鳥たちにとっては、なくてはならない環境の一つです。
北海道の湿原
日本最大の釧路湿原があります。
そのほかにも北海道には大小さまざまな湿原があります。
低層湿原、高層湿原などといった区別もされます。
ラムサール条約登録湿地も多いです。
タンチョウもいます。
オジロワシの越夏風景
ほんとうならロシアへ渡っているはずなのですが、こうして北海道の夏の湿原で子育てをすることもあります。
湿原の恵みのおかげかも知れませんね。
九州の湿原
坊ガツル湿原とともに「くじゅう坊ガツル・タデ原湿原」として、ラムサール条約に登録されています。
標高1000m付近。
多様な地質と地形を反映した植生分布(ヨシやヌマガヤ、ススキなどを優占種とし、ノリウツギ低木林、クロマツ群落など)が見られる、日本を代表する中間湿地タイプです。
入り口には、外来植物の種子侵入防止消毒マットがあります。
九州の干潟
生きた化石とも呼ばれるカブトガニがいます。
生息地は天然記念物にも指定されています。
有明海には有名なムツゴロウをはじめ、たくさんの鳥、魚、エビカニ、貝、低生生物のゴカイなどが生息しています。
(写真:北九州曽根干潟にて)
2016年夏、曽根干潟ではカブトガニが大量死し、全国ニュースになりました。
台風がなったことからの酸欠や、高水温などの見解が出ましたが、はっきりとした原因はわかっていません。
(写真:北九州曽根干潟にて)
湿原には、あまりお花が見られない感じもしますが、よく観察すると見られることがあります。
めずらしい食虫植物であったり、高山植物や山野花だったり、山菜だったりします。
撮影地:北海道浮島湿原
※浮島湿原は、標高およそ700mに位置する高層湿原です。
北海道の海岸帯にある湿原には、原生花園と呼ばれるところが各地にあります。
植物学的には正式な名称ではなく、本来は「海岸草原」が正しいのだそうです。
旅行雑誌『旅』の名編集長と云われた戸塚文子さんが最初に命名したと云われています。
7月上旬のピークにかけて、色とりどりの花たちが原生花園に咲き誇ります。
繁殖のために訪れる夏鳥たちの宝庫でもあります。
むかし、鉄道(SL)が走っていたこと(野火発生など)から、いまに群落を残しています。
現在も、ヒトの手により春、野焼きを行っています。
また、馬の放牧なども有効策とされています。
撮影地:小清水原生花園、ワッカ原生花園
北海道から四国にかけての限られた場所には、アカザ科のアッケシ草が群落を形成します。ヒトの手により群落とされているところが多いようです。
サンゴ草とも呼ばれ、こちらの方が馴染み深いかも知れませんね。
汽水域(海水と淡水が混じるところ)を好みます。
北海道能取湖卯原内(うばらない)の群落は、日本一の群落とされ、9月には深紅のじゅうたんが秋空の下に広がります。
撮影地:濤沸湖、能取湖
子どもの頃、ムツゴロウを手づかみなどしていたのですが、あまりご紹介できるほど写真が残念ながらありません。
これから仲間のみなさんと楽しくいろいろと見つけてゆきたいと思います。
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